平熱日記

平熱の日記

2021年6月上旬あたりのこと/父親との雪解け

家族との関係は生まれてから非常に微妙。

次女あるあるかもしれないけれど、親と真っ向からぶつかっていく姉、親も精神が成熟した頃に生まれうまいことやってる妹に囲まれ、親からの期待も薄く、なにかと昔から放任されていた気がする(そう仕向けていたきらいもある)。

 

家族からすれば一歩引いた存在なので、大人になればどこか俯瞰している存在として頼られたり、家族の意見を集約する人として機能していたりするんだけれど、小さい頃は自分でも距離感がうまく掴めず、家の外に居場所を作っていた。

 

家族との関係は今の価値観に少なからず影響しているな、と、キャリアカウンセリングを受けながら思うのだけど、そんなことは置いておいて、父親との関係の話。

 

父親が右傾化している…と気づいたのは、大学に入学したころだった。

韓国や中国をこき下ろし始め(JINRO飲んでるくせに)、日本を無条件で上げ、「戦争はしたほうがいい(要約)」「徴兵制はあるべきだ」とかなんとか語り始めた。もちろん自民党支持

亭主関白な家庭だったけど、娘たちのやりたいことに対しては「やめろ」ということはなかった。どこかで父も話がわかる人だと思っていた分、その変化は衝撃的だったなと思う。

 

その頃から話にならないと思い、そこからまともに会話をしていなかったのだけど、先日雪解けた、という話をしたい。

 

仕事やコロナの影響もあって2年ほど実家に帰っていなかったけど、6月、ひさびさの帰省を果たした。

 

その夜、ふと、「どうして自民党を支持しているのか」冷静に聞いてみた(ちょうど栃木3区のやなかずおがあほみてーな気持ち悪い発言したあとだったこともあり)。

わたしは政治は生活の延長にあると思っていて、政治によって基本的な人権を踏み躙られることがあってはいけない。という立場であることはすでに伝えている。

 

そこで聞けた話が、思ったよりも建設的なものだった。

片田舎で農業をしている身からすると、民主党政権時代の農業に関する政策はほぼ無策と言っていいほど形になっていなかったこと。

自民党は確かに形を変えているけど、やはり助成金一つとってもその条件などに自分の声が反映されていく実感があるということ。

そもそも、国政選挙時の選択肢が著しく少ないということ。心から自民党の、上記議員を支持しているわけではないこと。

結果として、父親の仕事への見返りはあって、自分が生活する上での困りごとは解消されている実感があるから、支持している、するしかない部分もあるみたいだった。

 

この辺りは理解できる。

その選択から家族を、家業を、守ってきたという自負が少なからずあるんだと思う。

 

多分、数年前だったらもっと強く自民党支持を押していたのだと思うけど、現状、農家である父親の子どもは独身の三姉妹。

地域の父と同世代の家庭で、その子どもたちがさらに家庭を作っていくなか、いうなれば「いきおくれている」娘たちを前に、いろいろと直面しているタイミングだった気もする。

 

「立場は人それぞれだもんな」と語る父親の言葉は意外だと思ったけど、伝統的家族観と元々持っている娘たちを尊重したい気持ちとの戦いを感じた。

 

結果、父親と話せてよかったと思う。