平熱日記

平熱の日記

2021年5月19日(水)のこと/明晰夢と結婚報道

全身が痛かった。

非力にも関わらず、昨日は20kgを超える自転車を力づくでアパートの2階に上げ、下ろした。20kgは字面よりも1億倍重い。久々の超全身運動に身体は震え、「明日はやばい」と思ったが、案の定の筋肉痛である。

くわえて、この天気。

起床時から感じていた体のだるさ・頭の鈍痛・異様な眠気は時間を追うごとにひどくなる。正午から久々の歯科検診だったのだけれど、起き上がりたくない…と心底思いながら起きて向かう。えらい…。

 

口内をきれいにしてもらい、帰宅途中には駅前の本屋に寄る。買おうと思いながら逃していた、こだまさんの『縁もゆかりもあったのだ』を購入した。 

帰宅。身体中が重だるく、重力に逆らっていられない。起床後水しか飲んでおらずで、本当は何か胃に入れたかったのだけど、耐えきれずダウン。昼寝をする。

二度寝・昼寝では悪夢や明晰夢、金縛りに遭うことが多い。今回も明晰夢をみた。先ほど購入したばかりの本を読了してしみじみしている夢。(実際には未読)

感想をあれこれ考えている途中で、夢だと気づく。明晰夢はここからが面白く、「読んでもない本を読み終わった夢を見るなんて、わたしはどれだけあの本を楽しみにしてるんだろう」「この内容を日記に書こう」なんてことを夢の中であれこれ考えられる。そんなことをしている間にだんだんと身体性が戻ってきて、ふっと目を覚ます感じだった。

 

としている間に、結婚報道でタイムラインが湧く。

去年のコロナ禍でのさまざまな訃報以来、ネガティブでもポジティブでも、著名人のプライベートな報道についてSNSでなにか言及することがしんどくなってしまった(働いていた領域にも関わるからだと思う)。

ものすごく制限されたなかで関係性やプライバシーを保つことの難しさが想像にたやすいこともあるんだけど、SNSに浮かぶ仕事が手につかない「ノリ」(本当にリアコの人とかは仕方ない気もする)とか、隠れ推し発言とか、「〇〇許さない」的なつまんないこき下ろしとか、よくわかんない分析とか、産むかもわかんないのに「絶対素敵なお子さんが生まれる」みたいなうっすら優生思想を感じるコメントとか、あの人で大丈夫? みたいな思いやりに見せかけた野次馬根性とかに嫌悪を感じる。

今後デカめの発表のあとはSNSをオフにしようと思った。結婚でも出産でも、不倫でも死でも、他人のプライベートを消費することはしたくない。(ほんとうにおめでたいと思ってる人がたくさんなのもわかっているし、自分のことのように祝福できる気持ちはうつくしいなって思う)

もちろんわたしもおめでたいと思っているし、個々の報道に意見を持つことはある。

ただ、当事者が商品としている部分以外の私的なところに、自分を投影したり同一化したり、都合のいい解釈を与えたり、みたいな、その人たちをモノとして扱うような言動を、取りたくない。


婚姻制度についても考える。結婚したくてもできない人たちのこと、選ばなかった人たちの意思と立場、1人で生きていくと決めた人のこと。他者の私生活を消費する世界の先には、すでに存在する制度からこぼれ落ちた人たちが仕方のないものとして処理される世界も、ある気がしてしまう。

 

と、考えた1日。こんなのだれもわかってくれなくていい。

 

梅雨がくる。心して生きる。